こんにちは!
Viviピラティス/札幌ピラティス インストラクターのダイチです!
今回はよく聞く巻き肩についてフォーカスしていきたいと思います!
そもそもですが…
巻き肩は見た目だけの問題じゃないんです
現代人に増えている「巻き肩(まきがた)」
猫背の一種として見られがちですが、単なる姿勢の崩れではなく、肩や首、腰など全身に影響を及ぼす構造的な問題です。
実際に、肩こり・頭痛・自律神経の乱れなど、多岐にわたる不定愁訴と関連しており、臨床でもよく見られるケースです。
本記事では、巻き肩の医学的なメカニズム・身体への影響・ピラティスによる改善法を、理学療法士の視点も交えて解説します。
巻き肩とは?構造的な特徴と原因
巻き肩とは、肩関節が内旋位(内側にねじれた状態)で固定された状態を指します。
臨床的には以下のような特徴を伴います
- 肩峰が前方・下方へ移動(肩が丸まる)
- 上腕骨が内旋(肘が外側を向く)
- 肩甲骨が外転・前傾・上方回旋
- 胸椎(背中)が後弯し、頭部が前方へ移動
主な原因
- 長時間のデスクワーク・スマホ操作
- 胸筋(大胸筋・小胸筋)の短縮
- 背中や肩甲帯の筋力低下(僧帽筋・菱形筋)
- 体幹・骨盤のアライメント不良
とくに大胸筋と小胸筋の短縮は、肩甲骨を前方へ引っ張る力が強まり、巻き肩を固定化させる要因となります。
巻き肩による身体的不調とは?
1. 肩こり・首こり・頭痛
巻き肩になると、僧帽筋上部や肩甲挙筋が過緊張を起こし、筋緊張性頭痛や慢性肩こりの温床になります(Falla et al., 2007, Manual Therapy)。
2. 呼吸機能の低下
胸郭の前面が圧迫されることで、胸式呼吸が制限され、呼吸筋(横隔膜・肋間筋)の可動性も低下します。
これにより浅い呼吸=自律神経の乱れに繋がる可能性が指摘されています(Kiesel et al., 2007)
3. 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)のリスク増加
肩関節の不良アライメントは、上腕骨頭の動きを制限し、インピンジメント症候群や滑液包炎のリスクを高めることが研究で報告されています(Ludewig & Cook, 2000, Physical Therapy)
4. 腰痛・背部痛との関係
肩甲骨の不安定性は、広背筋や脊柱起立筋群の緊張を強め、結果として体幹支持力の低下と腰痛の発症に繋がる可能性があります(Kibler et al., 2006)
ピラティスによる巻き肩の改善メカニズム
ピラティスは、「姿勢と動作の再教育」を目的とした運動療法の一種です。巻き肩に対しては以下の3つの点で効果的とされています。
1. 筋バランスの再構築
ピラティスでは、大胸筋・小胸筋のストレッチとともに、僧帽筋下部・前鋸筋・菱形筋の活性化が行われます。
特に「スキャプラ・セッティング」や「アームサークル」のようなエクササイズは、肩甲骨の安定化と可動性の両立を促し、肩のポジションを修正する効果があります(Emery et al., 2010)
2. コアの強化と姿勢保持力の向上
巻き肩は肩だけの問題ではなく、体幹や骨盤の崩れが関係する「全身的な姿勢問題」です。
ピラティスでは「パワーハウス(腹横筋・多裂筋・骨盤底筋)」を中心に体幹の安定性を高める
3. 呼吸の改善と自律神経の安定
ピラティス独特の「胸式ラテラル呼吸」は、肋骨の可動性を高め、呼吸筋を活性化します。
これにより、酸素摂取量の向上や自律神経のバランスが整い、不定愁訴の緩和にもつながるとされています(Cruz-Ferreira et al., 2011, Journal of Bodywork & Movement Therapies)
医学的エビデンスの裏付け
- Hardy et al. (2022)
- Keppler et al. (2019):巻き肩による肩痛を訴える被験者に対して、体幹と肩甲骨安定性エクササイズを含むピラティスプログラムで、可動域・筋力・VASスコアすべてに改善が見られた。
- Kim et al. (2016)
まとめ 巻き肩こそ“全身から見直す”べき姿勢問題
巻き肩は見た目の問題にとどまらず、身体機能・痛み・呼吸・自律神経と深く関係しています。
その原因は肩だけでなく、体幹や骨盤、筋力バランスの乱れなど、全身の協調性の崩れにあるため、部分的なストレッチや筋トレだけでは根本的な解決になりにくいのが実情です。
ピラティスは、身体全体を統合的に見直す運動療法であり、姿勢・呼吸・筋機能の再教育を通じて巻き肩を本質的に改善する手段となり得ます。
特に、理学療法士など身体評価のプロフェッショナルによるマンツーマン指導では、自分の癖や状態に応じた的確なアプローチが可能です。
もしあなたが「なんとなく姿勢が気になる」「慢性的な肩こりがある」「呼吸が浅い」と感じているなら、ピラティスで自分の体を再教育する第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。